自分から情報を求めて読んでいく説明的文章の指導T 〜 第1学年 〜
1.単元名 自分から情報を求めて読んでいく説明的文章の指導T 〜基礎講座編〜
2.単元設定の理由
 生徒は説明的文章のおおまかな内容をつかむことはできるが、そのとらえ方はあやふやであり、その根拠を尋ねると説明できず、「なんとなく」と答える生徒が多い。言葉、キーワードにこだわった読み取りや筆者の述べ方の工夫に気づく読みまではできていないと言える。平成13年に文部科学省が実施した学力調査の結果においても、「本文中の表現を根拠として自分の考えを述べる」問題では設定通過率を下回った結果が出ている。そこで、下記の三層を意識した「読み」の中で、第一の層、第二の層の読みを中心において第1学年の説明的文章の指導として、内容を学習しながら説明的文章の学び方を学ぶ授業を試みた。
<参 考> 情報を読む
(1)第一の層・・・ 何(内容……事柄・要旨)が書いてあるかという読み
(2)第二の層・・・ どのように書いてあるかという読み
(3)第三の層・・・ なぜそのように書いてあるか、筆者の述べ方を問題とする読み
(何を切り取ってきたか、なぜそのように切り取ったか)
*第三の層 ←中学三年間で目指す「読み」
3.学習材(指導上の工夫) 1年「海の中の声」・「クジラたちの音の世界」(光村)
4.学習計画(指導計画)及び指導事例
(1)1次 キーワードを探し、段落の要点をまとめる練習をしよう。
(「海の中の声」)・・・・・・・・・・・4時間
(1)2次 キーワードをもとに要点をまとめよう。
(「クジラたちの音の世界」)・・・・・・・・・・・6時間
(1)3次 段落の構成・筆者の述べ方の工夫について考えてみよう。
(「クジラたちの音の世界」)・・・・・・・・1時間
学習内容及び活動 教師の手だて 評価
1次
(1) 今回の学習での目標を知る。
「キーワードを見つけられるようになろう」
(2) 「海の中の声」を読む。
4〜3人班での音読
音読をしながら、形式段落を確認し、大きく3つに意味段落を分ける。
学習内容及び活動 教師の手だて 評価
(3) 「キーワード」について教師の説明を聞き、段落ごとにキーワードを探していく。
(個人→ 班での確認→ 全体での確認)
(4) 「キーワード」を用いて各段落の要点をまとめてみよう。
*資料1:生徒ノート
段落をつなぐ接続語や指示語にも注意するように話す。
資料のキーワードに印をつけている。 【資料】
 キーワードを見つけることができない生徒は、個人で考える時に教師が1〜2段落一緒に考え、探し方のヒントを与える。
班の話し合いの時、大きな声で自分が見つけたキーワードを発表している。 【話し合い】
 練習としての学習であるため、全体での要点確認の場面では教師主導で確認していく。
(個人→ 班での確認→ 全体での確認)
2次
(1)  「クジラたちの音の世界」では、ワークシートをもとにキーワードを自分で見つけていくこと、キーワードをもとに段落の要点をまとめる学習を行うことを確認する。
(2)  本文を読み、ワークシートのレベル1(「段落の書き出しを読点まで書き写す」)、レベル2(キーワードを探す)を行う。
*資料2:ワークシート原稿
(3)  各個人の探したキーワードや、まとめた段落の要点をもとに班で、段落の要点をまとめる。
*資料3:ワークシート(生徒書き込み)
(4)  班ごとにまとめた段落の要点を発表し、全体で確認する。
*資料4:生徒ノート
 ここではワークシートのレベル3までできるようになることを生徒に告げておく。
ワークシートに段落の書き出しやキーワードを書いている。
 【ワークシートの途中提出】
 キーワードができた生徒はレベル3(段落の要点をまとめる)、さらにレベル4,5に進む。
学習内容及び活動 教師の手だて 評価
3次
(1)  段落の構成・筆者の述べ方の工夫について考える。
*資料5:生徒ノート
(2)  今回の単元での学習についての感想を書く。
(感想、授業評価)
発表を聞いてノートにメモをとっている。 【ノート、ワークシート】
 筆者の工夫についてメモをとっている生徒に発表をさせる。
 レベル5はできていない生徒がいても「良し」とし、他生徒の発表を聞くことで、参考にさせる。
5.評価規準
評価規準
【国語への関心・意欲・態度】
自然の不思議や海の中の生物たちについて、興味・関心をもって読み進めようとしている。
【読む能力】
何度も出てくるキーワードを押さえながら、段落の要点をまとめている。
文章の展開に即して、大きなまとまりごとに内容をとらえている。
文章中にある問いとその答えの部分を探し、結んでいる。
文章の要約ができている。
【言語についての知識・理解・技能】
指示語や接続語及びこれらと同じような働きをする語句などに注意している。
Aの具体例
一回しか出ないが、論の中心となるキーワードを押さえている。
文章の中心的な部分と付加的な部分、事実と意見、問いと答えの部分をとらえている。
筆者の話の展開をつかみ、のべ方の工夫もとらえている。
Cへの手だて
ワークシートで各段落の書き出しを抜き出す作業を行い、大きな話の流れをつかみやすくする。キーワードの見つけ方の練習を行う。
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