楽しい雰囲気で話したり、聞いたりできる活動の工夫

教材文からサンゴの海の生きものの体の仕組みや特徴、共生の理由や工夫を的確に読みとっていくことは、大切である。しかし、そこにさらに楽しめる活動を取り入れることで、児童の学習意欲を高め、より活発な話す・聞く活動を展開することができる。
そこで、次のような3つの活動を工夫した。

1 サンゴの海の生きものになって会話を組織する

写真 サンゴの海の生きものになって会話を組織する
「大きな魚さん、お口を開けてください。お掃除しましょう。」
「ありがとう。お願いします。あーん。」
「どう、きもちいいですか。」
「うん。とってもすっきりしたよ。またお願いするね。ありがとう。」
「どういたしまして。ぼくもきみについた虫をいただいて、おなかがいっぱいになって助かったよ。」
「へえ、そうなんだ。きみ、そうじしながらごはんを食べていたの。わたしたちこれからも助け合っていこうね。」
写真 サンゴの海の生きものになって会話を組織する
プリント サンゴの海の生きものたち プリントに生きものの気持ちを書き込む吹き出しを作り、言葉を考えさせる。
この活動は、説明文から読みとったことをサンゴの海の生きものの視点でとらえ直して、表現する活動でもある。



2 生きものはくぶつかんのガイド役とお客さん役の設定

調べた生きものの説明を対話形式で練習
写真 調べた生きものの説明を対話形式で練習
伝えたいことをまとめたフリップを
使って、ガイド役とお客役になって
お互いに対話しながら活動する。
低学年の児童は、役を割り当てるこ
とで、より活発に話したり聞いたり
する活動ができる。

フリップを使って対話
写真 フリップを使って対話
写真 ガイドとお客の対話
ガイドとお客の対話
G「ツバメについて説明するよ。
 ツバメは、寒くなると暖かい南の
 方へ飛んでいくんだよ。」
客「南の方って、どこへ行くの。」
G「沖縄やフィリピンの方だよ。」
客「へえ。すごく遠くまで飛んでい
 くんだね。」
G「こういう鳥をわたり鳥って言い
 ます。」
客「つるとか白鳥もそうだよね。」
G「うん。そうだよ。」
G「ツバメは春になると日本に飛ん
 できて、巣を作るよ。巣の材料は
 土やわらやどろなどです。」
客「ああ。ツバメの巣なら見たこと
 あるよ。」
G「ここでクイズです。ツバメは巣
 を家の軒下に作ります。どうして
 こんなところに作るのでしょう。」
客「雨にぬれないからかなあ。」
G「ちょっとちがうよ。」
客「ヘビとか敵におそわれないよう
 に。」
G「ピンポーン。正解です。」



3 クイズ形式を取り入れた発表

ノート クイズ形式で書き出してみる クイズ形式を取り入れた発表
写真 ノートに書く 写真 クイズ形式で発表

児童が作ったクイズ
アルマジロは、体がかたいよろいみたいになっています。敵が近づいてくると、どうやって身を守るのでしょう。ヒント:ダンゴムシとよく似ています。

ペンギンのお父さんとお母さんは、えさを探しに海へ行くとき、赤ちゃんペンギンが敵につかまらないように、仲間同士で助け合います。どうやって赤ちゃんを守るのでしょう。
つばめは、家の軒下に巣を作ります。どうしてこんなところに巣を作るのでしょう。

毛虫は、どうやって敵から身を守るのでしょう。
@かたまる Aつのからくさいにおいの毒液をだす B口から糸をはく
こうもりは、暗い洞窟にすんでいます。暗くてよく見えないのに、どうして
ぶつからずに飛べるのでしょうか。

発表にクイズを取り入れたことで、話し手も聞き手も楽しみながら、より意欲的に学習に参加することができた。


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