第4学年 国語科学習指導案
1,単 元 歌にしたい「みすゞの詩」を決めよう(みんなに伝えたいこと)
2,単元設定の理由
 何らかの結論を求めて集団で話し合う活動においては、自分の考えをもつ力、整理して話す力、人の話を聞いて理解する力、互いの考えを比べながらよりよい結論に向かって話し合おうとする態度等が要求される。本学級の子どもたちは、積極的に発言しようとする子、考えはあっても表現することに慎重な子、自分の考えをつくるのに時間がかかる子というように、「話すこと」に関して言えば、個人差、個性差が顕著である。また、子どもたちの共通する実態として、自分の話が周囲に伝わっているかどうかに対する意識が芽生え始めた段階であり、発言したこと、先生が聞いてくれたことで満足してしまう傾向があげられる。一方「聞くこと」については、発言の意味を理解したうえで、それを自分の考えと比べて修正したり、新たなアイデアを生み出したりしようとする習慣はこれから育てていかなければならないところである。
 本単元は、一つの結論を求めて話し合いを重ねていく中で、相手に分かってもらおうと話すこと、相手の意見を理解し、よりよい結論・納得のいく結論をめざして粘り強く話し合う体験をねらって設定した。話し合いの課題として、金子みすゞの作品集から「歌にしてみたい詩」をクラスで決めることを提示する。みんなで一つの詩を決め、メロディをつけて歌ってみようというわけである。子どもたちは、一人一人が一冊の詩集から「歌にしたい詩」を選び、なぜその詩を選んだかをふくめて周囲に提案していく。詩を一つに決めるまでには、2、3人の少人数での話し合い、グループ(5人)内での話し合い、学級全体での話し合いなどの、様々な場を活用していく。自分が選んだ詩を周囲に説明することや他者の意見を黙って聞くことを、集団の一員としての「マナー」として徹底させ、より多くの納得が得られる結論を目指して前向きに話し合えるように支援していきたい。また、これらの話し合いを通して、詩の読み方を学んだり、金子みすゞの詩の世界を味わったりすることにも、着目しておきたい。
 指導に当たっては、以下のことに留意したい。
各自が選んだ詩は、画用紙に詩画集形式で表現させ、裏側にはその詩を選んだ理由などをメモ書きしておいて、発言の際に用いるようにする。その制作過程で詩への思いがもてるようにするとともに、話のメモとしても活用できるようにしたい。
5人グループでの話し合いにおいては、「(詩の提案→提案に対する質疑応答)×5」を話し合いの基本パターンとし、提案者・質問者の役割をつくることで、「話し手」として、「聞き手」としてのマナーや工夫点が意識できるようにしたい。
グループから推薦された詩の中から、各自が再度詩を選ぶようにすることで、個人の好みではなく、集団の代表として選ぶ自覚をもたせたい。
全体の話し合いでは、グループ推薦の詩の中から、どの詩を、なぜ選ぶかについて数人にレポートさせたあとで話し合いを開始するようにし、「提案者VS聞き手」の時間と「自由討議」の時間とを区別して話し合いに臨めるようにしたい。
3,目 標
(1) 自分の意見を整理しながら話したり、他者の思いを理解しようとして聞いたりすることにより、よりよい結論をめざして話し合いに参加することができるようにする。
(2) たくさんの詩に触れ、読み取った詩の世界を自分なりにまとめていくことができるようにする。
4,指導計画(総時数 約7時間)
 第一次 みすゞ詩集「あした」から、歌にしたい詩を一編選んで詩画集を作る(3時間)
 第二次 グループでは話し合って、グループ推薦の詩を決める(2時間)
 第三次 グループ推薦の詩の中から、学級の詩を一編選ぶ(2時間)・・・本時1/2
5,本 時 案  〜第三次 第1時〜
(1) 主 眼  金子みすゞの詩集から学級の詩を選ぶための話し合いに参加し、自分の考えを発言したり友達の意見を聞いたりして、納得のいく一編を決めることができる。
(2) 準備物 グループから推薦された作品(掲示用)
(3) 学習の展開
前の学習 グループから推薦された「学級の詩」の中から、各自が1編を選んだ。
学習活動   ・学習内容   ○子どもの思い 支援・配慮事項
1 グループから推薦された詩を音読する。
 ・前時までの成果 ○自分たちの選んだ詩は△△だ
 ・話し合いのねらい ○どの詩が学級の詩になるか
 な
2 学級の詩を1編に絞るために話し合う。
 ・提案者の意見と自分の意見の比較
いいことを言ってるな
よく分からない
自分と同じだ
同じ詩を選んでいるのに理由が違ってる
 ・発言への意欲
 ・自分の意見の修正
自分は・・・と思っていたけど、他の意見もいいなあ
自分の意見を言っておこう
よし、レポーターの□□君に賛成だ
3 話し合いの感想を書く
 ・学級の詩にどれを選ぶかの自分の結論
 ・心に残った友達の発言
 ・自分の考えの変化や深まり
頑張って意見が言えたなあ
いろんな人が発言したな
□□さんの意見はよかったな など
・それぞれのグループでの話し合いの様子からよかった点を紹介し、話し合いへの構えをもてるようにする
・学級全体での話し合いの仕方をはっきり示す
評 積極的に話し合いに参加しているか
支 挙手のない子を指名して簡単な問いかけをしたり、近くの友達と話し合う休憩時間を作ったりして話し合いへの参加を促していく
・どの詩を自分は選ぶかについての態度をはっきり決めるようにさせ、話し合いの成果を自覚できるようにする
評 よい意見や参考になった意見をふり返っているか。話し合いへの参加に対する自己反省はどうか。
後の学習 各自が決めた1編を発表し合って、最終的な学級の詩を決定する。
話し合いの手順
1 今日のテーマの確認、提案者(レポーター)紹介
2 レポーターの発表
 ・グループが推薦した詩の中から、自分が選んだ作品とその理由
 ・レポーターは、2〜3人
3 レポーターへの質問
 (聞き損ねたこと、確かめたいこと)
4 自由討論
5 結論(各自が自分なりに決めた学級の詩)
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