授業の実際2:星の動きを確かめよう |
星の位置や並び方が時刻によって、どう変化するかを予想したのが、前時である。その予想を検証すべく各自が夜間観測を行ってきた。数日間の猶予をもって、日時を選んで観測できるようにした。 観測場所はほとんどの子どもが自宅前で行っていた。そのため、中には地理的に観測が制限されてうまく観測できなかった子どももいた。本時では、互いの観測結果をもとに星の動きについて確かめていくことにした。 |
1 観測結果をもとに、星の動きを確かめる。 |
観測するにあたって、星の高さが比較的測りやすく、目立つ赤い星を手がかりにその動きがとらえやすい「さそり座」を観測対象とした。 その際、さそり座の移動は高度がそれほど高くないので、観測しやすい場所を選ぶのがよい。 夏の大三角シートでも動きがわかったという子どもたちが何人もいたが、今度は南の空を中心に観測していこうと言うと、子どもたちはすぐにその気になった。 |
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観測は、1〜2時間おきの3回以上とした。 観測したさそり座の位置を記録するのは、記録ができるだけ容易に行えることを考えて、さそり座の星図が書かれたカードを紙にはることにした。 理科のノートを横にし、1頁使って記録用紙を作成した。理科ノートは市販の5ミリ方眼ノートを使用している。 横は5センチ間隔で方位をとり、縦は2センチを10度として70度までとれた。自分たちで表を作成させたが、表作成に時間はかからなかった。 |
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さそり座をつくる星の並び方は時間が経っても変わらないということを前時に確認した上で、さそり座カードを数枚ずつ渡した。 観測したさそり座の位置を確かめてカードを貼り、観測時刻を記入した。 子どもたちの観測ノートを見ると、方位の変化ははっきりとしているものが多かったが、高度の低い観測のため、高度の違いがわかりにくいものがあった。それと、傾きの変化もわかりにくかったようである。しかし、星座の一部が見えなくなると、それが星座のどの部分にあたるのか、比較的よくとらえられていた。 |
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2 班で星座の動きについてまとめたことを黒板掲示を使って発表する。 |
子どもは自分が観測していない時間の様子を友達の発表から知ることができた。 全体の前で数人の子どもたちが発表するのを見て、いつも星座の傾きが変わっていっていることに気がついた子どももいた。 |
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○評価 「科学的な思考」 | ||||||||||||||||
(観測後の わかった ことを ノートに 記入) |
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3 星座早見を使って、星の動きを確かめる。 |
星座早見の使い方を聞いた後、月日を変えたり、観測時刻を変えたりして、星座早見の使い方に慣れることができた。 うまく月日と時刻が合わせられなかったり、時刻を午前と午後を間違えたりしている子どもたちがいたので、他の子どもがいろんな月日で確かめたり、他の星座の動きを調べたりしている間、個別に支援して回った。 |
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子どもの感想 |
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この学習を通して、時刻の変化とともに、星の並び方は変わらないが、その位置は少しずつ移動していくことが、観測記録をもとに確かめることができた。子どもたちは、星座早見の中の星座の数々が、時刻の変化とともに動いていくことに強い関心を寄せていた。A子は、星座早見の使い方に始め手間取っていたが、みんなと同じ星座の位置に合わせることができるようになると、とてもうれしそうだった。そこで、教師がA子にみんなに向けて星座探しの問題を出させた。(「○時に真南にある星座は何か」という程度のもの)普段あまり目立った発表のできない子どもも、こうした機会をとらえて学習の場の中心に引き出してあげることができるのではないかと思う。 最後に私の活用したパソコンソフト、ホームページを紹介する。 ソフト;HYPER PLANETU (DATT JAPAN) HP ;宇宙情報センター |