1.学習材 漢詩から作文の書き方を学ぼう〜「漢詩の風景」(光村図書)から〜
2.設定の理由  作文については非常に苦手意識をもっている生徒が多い。実際、生徒の作文を読むと、構成等に意識を置いて書いているものも少ない。そこで、作文の構成や表現について学ぶ場の設定を考えた。作文という時間を設定すると重荷に感じる生徒も多いため、他の学習材の中で1時間程度を使い学習することができるようにした。漢詩では、「起承転結」という構成法を学ぶ機会がある。そこで、3つの漢詩を手本にして、「起承転結」の詩や作文を書くという学習を設定した。
3.学習計画(指導計画)及び指導事例
@1次 漢詩を学ぼう(「漢詩の風景」)・・・・・・・・・ 3時間
A2次 起承転結の詩や作文を書いてみよう・・・・・・・・ 1時間
B
学習内容及び活動 教師の手立て・評価
1次
@ 1次の学習での目標を知る。
 「漢詩を学ぼう」

A 「春暁」の白文と訓読文から、漢文・漢詩の特徴について気付いたことを発表する。





B 漢文や漢詩の特徴について知る。














C 「春暁」「絶句」「黄鶴楼から〜」の漢詩を読み味わう。
・何度も音読をする。(個人練習、班練習、一斉練習)
・詩に込められた作者の思いについて考える。
○ 訓読文を中心に学習させる。「春暁」の白文と訓読文を板書し、漢文や漢詩の特徴について気付いたことを発表させる。
<漢文の特徴>
・ 漢字だけで書いてある。
・ 漢字の右下にカタカナで送り仮名が書いてある。
・ 左にレや一、二という字がある。
<五言絶句の特徴>
・ 四行で書いてある。
・ 一行は漢字五字ずつである。
○ 生徒の発表をもとに、漢文、漢詩の特徴について説明する。
・ 白文
・ 訓読文(訓点について)
・ 書き下し文(教科書を参考に)
 絶句について(定型詩、五言絶句、七言絶句、起承転結、押韻)
○ CDで中国語読みの「春暁」を聞かせ、訓読文の必要性や古人の工夫を理解させる。
・漢文や漢詩の特徴を見つけることができているか。気づきをメモしているか。【ノート】
・発表にしっかり耳を傾けているか。【観察】
○ 起承転結」の構成から詩の内容を考えさせ、味わわせる。
* 起句・承句にはどのような内容が書いてあるのだろう。
* 転句は内容が変わっているはずだが、起句・承句からどんなことが変わっているのだろうか。
2次
@ 漢詩をまねて起承転結の四行詩を書いてみよう。









A 書いた詩を班で発表しよう。
・自分の詩を音読する。
○ 詩というと難しく感じる生徒もいるため、各連1〜2行の作文でもよいことを告げる。
○ ワークシートを活用する。
○ 書く内容に困っている生徒については
3つの詩の構成を参考にするように助言する。
・ 「春暁」(朝の情景 → 昨夜の回想)
・ 「絶句」(春の情景 → 心情)
(起句・承句の明るいイメージ→転句暗いイメージ)
○ 班の中でよくできているものは、学級全体でも紹介する。(生徒推薦、教師推薦)
・起句・承句のつながりから転句での内容の変化が分かる詩を書いている。
【発表・ワークシート】
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4.評価規準
評価規準B
【国語への関心・意欲・態度】
起承転結の構成を意識して書こうとしている。
【書く能力】
起句・承句のつながりから転句での内容の変化が分かる詩を書いている。
Aの具体例
詩を参考にしながらも、起承転結の構成で自分なりの視点の詩を書いている。
Cへの手だて
テーマ(春がきた喜び、部活の試合での思い等)を教師が与え、考えがつまずいた時にはどんな気持ちを書きたいのかを尋ねながら支援する。
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