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1 単元名 |
「状況に生きる」 −「故郷」(魯迅)− |
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2 単元の目標 |
風景や人物の描写を味わいながら作品の主題や作者の思いに迫るとともに、作品の背景にある時代の状況を理解しつつ、そこに生きる人間の姿をとらえ、自分の考えを伝える。 |
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3 単元設定の理由 |
〈めざす生徒像〉 |
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最上学年、最終学年として半年以上が経過している。自分を取り巻くさまざまな状況の中で、自分を見失いがちな生徒も多くいる。だからこそ、この時期に状況と対峙し、状況とのかかわりを言語によって表現した作品に触れさせたい。人間および、自然や社会についても目を開くことの必要性を知り、実際に視野を広げさせたい。そして生徒が、この時代を「生きる」ことの意味を考えるきっかけとしたい。 |
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〈教材観〉 |
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「故郷」は故郷への帰郷・離郷を通して、社会・国家のあり方を問題にした作品である。生まれ育った故郷を回想する文学作品は数多く書かれているが、このように広い視野をもった作品は、日本ではあまり見られない貴重な意義をもった作品といえる。 |
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「故郷」が描かれた1920年当時、中国は、辛亥革命がいちおうの成功を収め、民主共和国を出現させたが、その実は上がらなかった。富国強兵を実現させて列強の侵略を止めることもできず、民政の困窮は革命によって救われるどころか、専制の清朝末期よりもかえって増していた。「故郷」に描かれている現実の故郷・社会は、矛盾や欠陥に満ちている。そういう社会から目をそらそうとせずに、一歩ずつ改革しようとする人間像(作者魯迅の姿)を取り上げ、連帯の中に希望を見いだす姿をとらえさせたい。 |
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〈指導観〉 |
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中学校3年間の「読む」学習の総まとめと位置づけ、これまでの学習をふまえて、表現の特徴から作者の表現意図を考えさせるとともに、さらに、時代背景との関連のもとに作品を読み深める学習に取り組ませたい。 |
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作品に描かれた状況をとらえ、その状況と真摯に向き合う人間の姿の描写を味わいながら、作者が作品・文章に込めた思いを読み取らせたい。また、そこから、現代に生きる生徒たちに「状況に生きる」ことを考えさせ、自分の思いを発表させたい。 |
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