「指導のポイント」

1 ブックトークや読み聞かせを指導計画に取り入れる。

本単元は、絵本の世界へと子どもたちを引き込む指導が大切となる。そこで、読書指導でよく使われる手法を、指導計画の中に意図的に取り入れることが有効であると考えた。

○ブックトーク 何冊かの本をテーマを決めて、紹介していく手法。本単元では、「レオ=レオニの世界へ」というテーマで単元の導入に取り入れた。
○読み聞かせ 読み手が、本の挿絵を見せながら、読んで聞かせる。基本教材「スイミー」を学習した後、発展教材を選択する場面で、取り入れた。
○ペープサート 登場人物の絵を描き棒をつけて持ちながら、せりふを話す。スイミーの読み取りの場面でスイミーになってせりふを言うと、スイミーと同化して読みとることができる。

2 言葉や表現に着目し、読み味わう学習活動の設定

文学的教材では、「あらすじを押さえながら場面ごとの想像を広げ、叙述と結びつけることによって、確かな言葉の力として身に付けるようにすることがたいせつである。」(小学校学習指導要領 国語指導書より)本単元では、次のような活動を設定した。

比喩表現、体言止め、倒置法などの文に着目させ、普通の文との感じ方の違いや表現のおもしろさを味わう。
各場面ごとの読み取りワークシートに吹き出しを作り、スイミーへ語りかける活動を取り入れ、共感的に読む工夫をする。
スイミーの世界を豊かにイメージできるよう、大きな挿絵を用意したり、ペープサートを使って劇化したりする。

3 読書の幅を広げるための単元構成

スイミーを基本教材として学習した後で、他のレオ・レオニの作品を紹介し、児童の好みに応じて選択して読み進めることができるような単元構成を考えた。

「ひとあし ひとあし」「せかいいち おおきなうち」「アレクサンダとぜんまいねずみ」の3冊の絵本を発展教材として用意し、読み聞かせの後、好みに応じて自由に選択させた。
一人で内容を読み進めることができるよう作品に応じたワークシートを作る。
同じ教材を選んだ児童同士で話し合い、さらに読み深めることができるように工夫した。


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